『健康問答―平成の養生訓―』を読んで

2020. 1.24

 

 作家の五木寛之氏と医師の帯津良一先生の対談

その中の帯津良一先生の三つの文章を載せる。

 

①「食養生を語るとき、食材を吟味することももちろん大事ですが、いちばん大事なのは『心』ではないでしょうか。「うまい!」という、心のときめきがどれだけ生命を煮えたぎらせ、自然治癒力を喚起させるか・・・」

②「人はふるさとからきて、ふるさとに帰るという考えなんです。これは、片道百五十億年と見ているんですよ。それはビッグバンから百五十億年だから。往復三百億年の生命の旅です。」「大いなる循環に思いを馳〔は〕せていたら、今日という一日も、この循環のなかの一日。今日という日がなければ、循環が成り立ちません。だから、今日という一日を、精一杯生きるのだ。」

③「さらに、私たちの内なる命は、虚空の大いなる生命〔いのち〕の一部なのである。だから私たちの命は、大いなる生命の流れに身を委〔まか〕せて、計らいも捨て、あるがままに生きるのが、本来の姿であり、それが真の養生なのではないだろうか。」

和尚からの蛇足

 五木寛之氏は豊富な知識と多方面にわたる好奇心を持っていらっしゃるので、読んでいても飽〔あ〕きることがなかった。

 ①は ―「うまい!」という、心のときめき― というところに注目されていることである。前向きな見方には力を感じる。湧き上がるこころの奥底にある何かが表にヒョイと出てくるイメージである。これは真実のあらわれそのものではなかろうか。

 ②は実に遠大な話である。往復三百億年なんてとても想像が湧かないが、それが今日一日が欠かせない大事な一日であるという。それを思うと、確かにとてもなおざりにできず、その中で一生懸命努力して行かねばならないだろう。

 ③は私たちの小さな命が、大いなる生命に連なり、小さい流れではなく大きな流れに委せること。日常的にもそうであるが、病んだり普通の状態ない時にはこの思いを持つことにより正しい方向に修正されていく安心感を持つことができる。

 医師である帯津良一先生が言っていることは、仏教そのものであり、人間誰でも内に素晴らしいものを備わって生まれてきているのだと聞くと安らぎの心を覚える

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