養老孟司先生のインタビュー

2020. 5. 8

新型コロナウィルスについて

新型コロナウィルスの究明が進みつつあるように見えるという記者の問いかけに対して、
養老先生は

「みんな生き物を軽く見ているんだよ。

特にコロナウィルスのように微細なものは、構造はわかっても、人間にどう影響するかは未解明です。」
と述べておられます。

まだまだ未知のところがあるというのです。

人間でも、同じウィルスに感染しても、体質や遺伝的に亡くなる人もいれば、元気な人もいる。それが生物多様性だと仰せになっています。
そのような多様性という視点からみれば、
「人間には都合のよくない新型コロナも多様性の一つ。登場してしまったからには、共存するしかない。」
というのです。
多様性という視点でみると、人間中心、自分中心の考えでは対応できなくなります。

そこで養老先生は、
「ただ、世の中も自然も、思うにまかせぬものですから、起こったことはしょうがない。その結果をいかに利用し、生き方を見直すかで先行きが違ってくる。」
と指摘されていました。

たしかに生物多様性という視点で生物の歴史をみると、実にさまざまな生物が登場してきたのでしょう。
人類が生まれてからも、過去をさかのぼれば、いろいろな細菌などもあらわれて、その中を生き伸びて今日に到ったのでしょう。
ですから、きっと今回の新型コロナウイルスにしても、なんらかの形で収まってゆくのだろうと思います。
今すぐに「共存するしかない」と言われてもためらわれますが、
生物は多様性であること、その中で生きるしかないこと、
これからどう生きたらよいか、生き方を見直す機会にすることが大切だと感じました。

(円覚寺ホームページ ブログより)

和尚からの蛇足

この記事も前回同様、
円覚寺ホームページの横田南嶺円覚寺派管長の言葉から引用させてもらった。
養老孟司先生の考えに耳を傾けてみようと思う。

まず生物の多様性について触れている。

「人間には都合のよくない新型コロナも多様性の一つ」

そういう点をしっかりと押さえているのは、さすが昆虫収集・研究をライフワークにしている養老先生だなと感じる。

人間自身、長い歴史のなかで進化をしてきた生物の一つである。まだ途上にあるにすぎない。これからどのようになっていくのか誰にも分からない。
このコロナウイルスも変異という形で変化を起こしてきたしこれからも変わっていくのであろう。これも誰にも分からないであろう。
今それを研究し、ワクチンで対応しようとしているが容易なことではないようだ。
それも「なんらかの形で収まってゆくのだろうと思います」という言葉に少し安堵を覚える。

そしてその生物多様性の中で生きるしかなく、生き方がいま問われているのだと結んでおられる。
一時的な逃避やごまかしからは何も生まれない。正しく向き合い、行動し、周りと連帯して対処していくしかないと思う。

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